ネットデイサミットin群馬共同宣言

1999年8月8日
ネットデイサミットin群馬実行委員会


ネットデイの一つの意義は、地域社会の方々が「学校へ行こう」という気持ちを持つこ とである。


 もちろん、学校の情報化や情報教育を中心とする新しい教育像を模索し、その中におけ るネットワーク活用の問題を提起し、21世紀を生きる子供たちに、十分な情報処理環境を 提供することも重要であるが、それにもまして、子供たちを含めた人と人とのかかわりに より、学校が開かれた教育の場へと変革していくことがだいじと考えている。そのための キーワードとしての「学校へ行こう」なのである。


 ところが、現状では学校へ足を運ぶことは簡単なようで難しい。ネットデイは、そのよ うな難しさを緩和する一つのきっかけになると考えている。

 そして、誰もが気軽に学校へ出かけ、自由な意見交換をできるようになった時、ネット デイの第一期は終結したと定義付ける。もちろん、実際に足を運ぶだけでなく、ネットワ ークを介しての自由な対話も歓迎することである。しかしながら、現状ではとても気軽に 学校に足を運ぶことはできないし、また、電子メールなどを使って学校の先生や生徒たち と自由に対話できるわけではない。そのため、今後もネットデイ活動が必要と考えている。

 そこで、サミット関係者からのネットデイに関する関係諸機関への提言として次の各号 を掲げたい。

(1) 学校は常に開かれた場であってほしい。少なくとも、ネットデイをはじめとする、
種々の活動を受け入れる気持ちを持ってほしい。
(2) 行政はボランティア活動が契機となって開かれた学校への適切な支援をしてほしい。
(3) 企業は、社員が個人としてボランティア活動に参加できるような具体的な方策を示 してほしい。
(4) 地域社会は、学校が自分たちの生活の場の一部であることを認識して、積極的に関 与してほしい。
(5) ボランティアは自分たちの活動の影響と限界を理解した上で、学校現場に本当に必 要な支援をしてほしい。


 以上の各号を元に具体的な問題点と提言を以下にまとめる。

..ボランティアの行うネットデイは決して、安い配線業者の代わりではない。個々のネ ットデイ活動の趣旨は、情報化の進展の中で揺れ動く教育 現場に対する純粋な技術的な支援が中心であり、行政の財政発動を待つまでの教育の 後退を補うだけにすぎない。学校現場では、そのことを十分考慮した受け入れ体制作 りを推進すべきである。
..しかしながら、長期的な安定した教育環境の実現には、ネットデイ後のサポート体制 を如何に確立するかが重要であり、どのようなサポート体制を確立していくかは行政 の役割である。特に重要なのは、本来忘れられがちなネットワークや情報機器の保守・ 管理体制をどのように確立するかであり、具体的には保守・運用面のコストをきちん と反映した予算化を推進することを希望する.
..個人のボランティア活動と企業内での活動をどのように切り分け、企業側がボランテ ィア活動を個々の社員のキャリアとしてどのように位置付けるかを明確にすべきであ る。特に、ボランティア休暇の拡充などを含めた、企業がボランティア活動を奨励す るシステムの確立が急務である。もちろん、ボランティア活動や地域でのネットデイ 活動を財政面や資材面で支援してほしい。
..ネットデイのようなボランティア活動では、単に参加して体を動かす人だけでなく、 そのようなボランティア活動家を組織化して、一つの目標に向かい意識を高め、目標 を達成するための広い視野と統率力を備えたコーディネーション組織を育成すること が肝要である.ただし、コーディネーション組織は後進の育成を含めた世代交代を促 す仕組みが必要である。そのためには、コーディネータ資格のような公的な資格取得 も視野に入れたコーディネータの社会的なステータスの確立が重要である。また、世 代交代するためにコーディネータの育成、新しいコーディネーション領域の発掘を行 う機関の設置が必要である。
..個々のボランティア活動には、活動の内容に見合った適正な規模がある。そのような 活動の適性を助言し、ネットデイを含めたボランティア活動の情報交換や人材や資材 の調達を支援する組織が不可欠である。今回のサミットの成果として、そのような組 織化のための前進として、主催団体を中核とする、ネットデイ推進協議会(仮称)の 設立を目指したい。
 以上、ネットデイは学校を身近にし、「学校へ行こう」という勇気を与える出発点であ り、そこから、新しい学校教育像を探ることができると信じている。サミットの共同宣言 には、単にネットデイのような学校を支援するボランティア活動にどどまらない、広範な 提言を含んでいる。今後、これらの提言が現実の活動の中でどのように生かされるかを期 待して、共同宣言文を終わる。